今話題になっている勝間さんという経済研究家(こういう表現で良いのだろうか)と2ちゃんねる(旧?)管理人ひろゆきさんの対談を見てみた。前文をテキストに起こしてくださった方がおられたので、紹介させていただく(ページ一番下)。
内容はほとんど無いと言って良いと思う。この議論がネット上で話題になっているのは、お二人の知名度の高さに加え、議論が思うように進まないことに焦ったであろうと思われる勝間さんの矛盾した発言や感情的な発言(インターネットの話をしているんですよ、今は、とか、だめだこれ、だとか)に対しての揚げ足取りが面白いからだと俺は考える。
おそらく、勝間さんが行いたかった議論の形というのはこうだ。
1.
勝「こういう問題があって、今皆が困っています」
ひ「そうですね」
2.
勝「それを解決するために、こういうことをする必要があると思います」
ひ「いや、僕はこうした方が良いと思います」
3.
勝「でしたらこういうアイデアはどうでしょう」
ひ「それは面白いですね」
しかし実際はこうだ。
1.
勝「こういう問題があって、今皆が困っています」
ひ「僕はそれで皆が困っているとは思いません」
この1.の段階でうだうだ話し続けているだけで、議論がちっとも2.や3.に進まない。勝間さんが想定していたのはこの2.や3.の部分を番組として放映することだったのだろう。
これは番組を主催している側が悪いと思う。ひろゆきさんの姿勢は正しい。1.の段階でのお互いの認識が違ってしまったら、その後の2.や3.で実りのある議論なんかできる訳がないからだ。1.の段階での疑問や齟齬は徹底的に潰しておくべき。
たとえば、僕たちは自分の研究結果を発表する時、聴いてくれる人によってイントロダクションを大きく変える。
一般の方に説明するなら、身の回りの品と自分の研究がどう関係しているか、から始めるし、
大学生くらいの方だったら、その物質の名前と生産量くらいから始めるし、
学会とかならいきなり研究内容に近いところから始めてしまう。
当たり前の話だけど、一般の方にいきなり学会レベルの話をしても理解できる訳が無い。学会だったら聴く人は皆ある程度の基礎知識を持っていることが前提だから問題無い。
聴き側のことを考えて話すのは、面白い話をする上で欠かすことのできない大切な要素だと思う。聴く人がわからないことを話しても面白い訳が無い。当たり前の話だけど。
しかしこの番組は学会とは違う。勝間さんは経済の専門家で、ひろゆきさんはそうではない。さらに、ひろゆきさんはゲストだ。
その上で、このやり取りである。
ひ:シャゾウ? 何ですかシャゾウって?
勝:だめだこれ(笑)。
学会とかなら、発表者の方が「なぜこの程度のことも知らないの」という空気を醸し出すのはアリだと思うけれど、頼んで来て頂いた方と話し合いをする場でこの態度は無い。このやりとりにこの番組の駄目だった部分が集約されていると思う。
ではどうすれば良かったのか。まさしく事前準備だろう。事前に勝間さん、もしくは番組製作者がひろゆきさんに対し、何を議題にするのか具体的に説明しておくべきだったのだろう。
これは想像だけど、彼らはひろゆきさんに対して、「ネットの匿名性、若者の起業促進、国民幸福度について議論していただきます」程度の説明しかしていなかったのではないだろうか。それなら、ひろゆきさんが1.の段階であんなに噛み付くのも頷ける。
この番組、筋書きの無い討論というのをウリにしているという話だけれど、やはり、限られた時間の中で内容のある討論をするためには、ある程度台本というのも必要だと思った。もしくは司会進行をうまい人にやってもらうとか。勝間さんも経済に関してプロだろうけど、司会はプロではないでしょう。
自分もこれから社内で会議に出席する機会も出てくるだろう。きちんと自分たちが何を議論したいのか、という点にフォーカスできるように気をつけよう。
追記
トラックバックのシステムをまったく理解していなかった…はずかしい!
テキスト書いてくださったサイトは↓
http://d.hatena.ne.jp/wt5/20100503